校長室だより

Vol.3
習慣は才能を超える
 神奈川県出身で、4年前の夏の甲子園で前橋育英高校を初出場・初優勝に導いた荒井直樹監督は、「凡事徹底」という言葉を座右の銘としています。これは、平凡なこと、当たり前のことを徹底してやることが大切であるということです。「インコースの打ち方を覚えるより、まずトイレをきれいにしろ、靴をきれいにそろえろ」という考え方に立ち、チームづくりをしました。まずは、あいさつ、掃除、時間を守る、身だしなみを整える、人の話を聴くといったことを徹底してできるようにし、練習でもランニング、キャッチボール、ゴミ拾いといった基本的なことを徹底してやりました。誰にでもできることを誰にもできないくらい徹底してやり続けることで、全国優勝という大きな成果をもたらしました。
 経営学者のドラッカーも、「成果をあげるために必要なのは、才能を持つことではなく、一つひとつのよい習慣をしっかり見に付けることである 」と言っています。早起きする、時間を守る、あいさつをする、身だしなみを整える、毎日勉強する…、こうしたことを人に言われてやらされているのではなく、自分から進んでする、自然にできるようにするのです。こうしたことを習慣として当たり前にできる人は、その次のことに意識やエネルギーをもっていけます。
 一つひとつのよい習慣が身に付けば自分の人生は大きく変わっていきます。「習慣は才能を超える」「習慣は人生を変える」のです。意識が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わり、人生が変わります。学校というところは、これからの人生を生きていくためのよい習慣を身に付ける場所、人生の土台をつくる場所です。ぜひ学校にいる間に、よい生活習慣、よい学習習慣を身に付けてほしいと思います。そうすればきっとよい人生が開けてくることでしょう。
 2017年2月1日


Vol.2
「コミュニケーション能力」
 経済産業省が企業の人事採用担当者に調査した「社会に出て必要な力」の第1位は「コミュニケーション能力」でした。人間誰もが一人で仕事はできないし、一人では生きていけません。周囲とよい関係を築いて一緒に取り組み、一緒に生きて行くことが必要です。
 では、「コミュニケーション能力」とは何でしょう。話が上手、人と話をするのが好き、明るく社交的な性格・・・ そうであるにこしたことはありませんが、一番大切なことは「相手の気持ちがわかる」「相手の立場に立てる」ということです。話が上手でなくても、引っ込み思案の性格でも、よいコミュニケーションはできます。自分の気持ちをわかってくれたり、自分の立場に立って話をしてもらえたら、誰もが安心して喜んで話をしたくなります。そういう人はよい信頼関係が築けますが、自分の気持ち、自分の話ばかり優先する人は信頼も好感も得られません。コミュニケーションで大切なことは、話が上手かどうかではなく、相手の気持ちがわかること、すなわち「相手を思いやる力」だと思います。
 また、人とコミュニケーションをする上で、行動面で大切なことは何か。相手に好感を持ってもらい、信頼を寄せてもらうために大切なのは、「あいさつ」「時間」「身だしなみ」の3つです。
 「おはようございます」「こんにちは」と一言いえるだけで、人とのつながりが円滑になり、世界が広がります。また、時間管理は、大人としての大切な条件。信頼を得るには時間を守ること。遅刻は厳禁です。さらに、身だしなみを整えることで好感も信頼も得られます。特に初対面では、身だしなみが大切です。
 このように心の面では「相手の気持ちを思いやる」「相手の立場に立てる」人になること、行動面では「あいさつ」「時間」「身だしなみ」の3つがきちんとできる人、そうした人がコミュニケーション能力を有する人の基本条件です。これらができれば、人生はとても豊かになるはずです。 
 2016年12月20日


Vol.1
「積小為大」
 本校がある小田原市栢山は、「二宮尊徳」生誕の地として知られています。毎年10月には尊徳記念館で尊徳祭が開かれ、展示・発表・講演など様々な催しがあり、本校デザイン科の生徒が毎年ポスターをデザインしています。今年は没後160年ということで10/15~16に盛大に尊徳祭が開催されました。
 尊徳は江戸時代後半の人物で、10代で両親を失いましたが、その後コツコツと努力して勉強し、荒れていた農村を復興して貧しい農民たちを救うなど数々の業績を残し、農政家・思想家として全国に大きな影響を与えました。小田原市の小学校では4年生の時に必ず「尊徳学習」を行うので、小田原市内のみなさんはよく知っていることと思います。
 尊徳は、世の中のすべてに感謝し、世の中に報いる行動をとることが社会のためでもあり自分のためでもあると考え、多くの業績や言葉を残しました。中でも有名な尊徳の言葉が「積小為大」です。「小を積んで、大を為す」すなわち「小さなことの積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結びつく」「小さなこと、平凡なことの積み重ねが、大きな成果をもたらす」という意味です。
 尊徳は、読書をする灯りの油代を稼ぐため、一握りの菜種から油を取っては売って勉学を続け、捨てられた苗を拾っては植えて次第に大きな収穫をもたらしました。
 現代においても、プロ野球のイチロー選手が、日米4000本安打を成し遂げた時に、「夢や目標を達成する方法は一つしかない。それは小さなことを積み重ねること」と言っています。200年前の尊徳も現代のイチローも、夢や目標に達成するために大切なことは「小さなことをコツコツと積み重ねていくこと」すなわち、簡単なこと、平凡なこと、当たり前のことをしっかり継続して実践することだと言っています。
 大切なのは、始めることと続けること。小さなことでいいので、やり始めたことをずっと続けていけば、きっと大きな花が開くときが来ることでしょう。 
 2016年10月24日